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社団法人日本電気技術者協会 電気技術解説講座 文字サイズ変更ヘルプ
Presented by Electric Engineer's Association
電験第二種「法規」問題の研究 東京電力(株)地中送電技能訓練センター 所長 大島 輝夫


【問1】次の諸元をもつ揚水発電所をポンプ水車で計画しようとする場合、発電電動機の定格出力および変圧器の定格容量を計算せよ。

 ただし、主機は1台とし、水車効率=88〔%〕,ポンプ効率85〔%〕,発電機および電動機効率=97〔%〕とし、定格力率は発電機の時は90〔%〕,電動機の時は100〔%〕とする。
   上池満水位   標高 700〔m〕
   上池低水位   標高 680〔m〕
   下池満水位   標高 450〔m〕
   下池低水位   標高 430〔m〕
   損失水頭    10〔m〕(発電時・揚水時とも)
   最大流量    90〔m/s〕(最高有効落差時)
   最大揚水量   90〔m/s〕(最低全揚程時の揚水量とし、
           このときのポンプ軸入力は最大になるものとする。)

〔解き方〕 

(1) 発電電動機の定格出力

 最高有効落差の場合は、
   =上池満水位−下池低水位−損失水頭
     =700−430−10=260〔m〕
 水車出力は最高落差時に最大になるから、発電機の所要定格出力は、最大流量=90〔m/s〕,力率pf =0.9 とすると、
   =9.8ηη/pf  
      =
     =218 000〔kVA〕=218〔MVA〕
 次に、最低全揚程の場合は、
   =上部低水位−下池満水位+損失水頭
     =680−450+10=240〔m〕
 ポンプ軸入力は最低全揚程時に最大となるから、電動機の所要定格出力は、最大揚水量=90〔m/s〕とすると、
         
     =250 000〔kW〕=250〔MW〕  

 (2) 変圧器の定格出力

 変圧器の所要容量は、発電時をTr',揚水時をTrとすると、
   Tr'(発電機定格出力)==218〔MVA〕
   Tr(電動機入力)=
             = =258〔MVA〕
 PTrTr'であるから、変圧器の定格容量は258〔MVA〕となる。

 〔〕 

     発電電動機定格出力   
       発電機 218〔MVA〕
       電動機 250〔MVA〕
     変圧器定格容量 258〔MVA〕


送電系統における事故前後の送電電力を求める問題


【問2】100MWの水力発電機10台と250MWの火力発電機9台で2 500MWの負荷に電力を供給している。水力発電機の速度調定率を3%,火力発電機の速度調定率を4%,負荷の電力−周波数特性定数を0.2〔MW/0.1Hz〕とすれば、定格出力運転中の250MWの火力発電機が1台トリップした場合に生ずる周波数変化量と各発電機の出力および負荷電力の変化量を求めよ。系統の周波数は60〔Hz〕とする。

 

解き方

 発電機の周波数特性定数を求める。
    〔MW/0.1Hz〕
 水力発電1台あたりの周波数特性定数GWは、速度調定率をδ,周波数をf とすると、
   GW =5.56〔MW/0.1Hz〕  
 同様にして、火力発電1台あたりの周波数特性定数GSは、速度調定率をδとすると、
   GS =10.42〔MW/0.1Hz〕
 したがって、火力1台トリップ時の水火力を合成した周波数特性定数は、
    =5.56×10+10.42×8=138.9〔MW/0.1Hz〕  
 次に、負荷の周波数特性定数は、
    〔MW/0.1Hz〕
    
 ∴ K=2 500× =5〔MW/0.1Hz〕
 火力機1台トリップ時の発電変化量Δ〔MW〕は250MWであるが、系統周波数の変化量Δ は、
   Δ=−(×10
   Δ=− =−0.174〔Hz〕  
 水力発電機の出力変化Δは、
   Δ=−GW×10×Δ  
      =−5.56×10×(−0.174)=9.7〔MW〕
 火力発電機の出力変化Δは、
   Δ=−GS×10×Δ  
      =−10.42×10×(−0.174)=18.1〔MW〕
 負荷電力の変化量Δは、
   Δ×10×(−Δ)
      =5×10×(−0.174)=−8.7〔MW〕

    周波数変化量    0.174〔Hz〕
    火力出力変化量   9.7〔MW〕増
    水力出力変化量  18.1〔MW〕増
    負荷電力の変化量  8.7〔MW〕減



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