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交流回路は、ベクトルを用いて計算することができる。ベクトルは図形を基本としたものであるが、図形に頼るだけでは複雑な回路になると限界が生じてくる。そこでベクトルによる図形処理を数式計算に置き換えることができれば計算が容易になる。ここでは、ベクトルの複素数表現と、それを用いたベクトル合成の計算方法を解説する。
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※テキスト中の図はクリックすると大きく表示されます
![04.jを活用する複素平面のおもしろさ](image/topic/04.gif)
複素平面は第1図のように縦軸を虚数
![formula033](image/formula/eq0033M.gif)
![formula033](image/formula/eq0033P.gif)
の目盛に、横軸を実数の目盛にしたものであるが、この座標面のおもしろいことは、ある長さの実数に
![formula034](image/formula/eq0034M.gif)
![formula034](image/formula/eq0034P.gif)
を掛ける度に、座標上の位置を時計と反対周りに90°ずつ回転をするという性質にある。
発電機はコイルが回転して交流を生み出すが、交流を数学的に処理するのに虚数
![formula035](image/formula/eq0035M.gif)
![formula035](image/formula/eq0035P.gif)
が役に立つことはなんとなくイメージできるであろう。
さて、第1図の長さ
B を仮に、ある電流の大きさ
B アンペアのベクトルとする。そうすると
![formula037](image/formula/eq0037M.gif)
![formula037](image/formula/eq0037P.gif)
は、
![formula038](image/formula/eq0038M.gif)
![formula038](image/formula/eq0038P.gif)
より90°位相の進んだ電流を表すベクトルになる。
![formula039](image/formula/eq0039M.gif)
![formula039](image/formula/eq0039P.gif)
アンペアなんて聞いたこともないなどと考え込む必要はない。つまり大きさ
B が電流の実効値で、
![formula040](image/formula/eq0040M.gif)
![formula040](image/formula/eq0040P.gif)
は、ただ90°進んでいるという意味をもたせて、付けてあるのだと考えればよい。