(1)コンデンサC に流れこむ電流iは、
i の正方向を印加電圧v の正方向と同方向に選べば、次式となります。
(0)
(2)正弦波交流電圧が加わっている場合にコンデンサに流れる電流。
第1図(a)のように、コンデンサC に直流電圧E が加えられている状態、例えば時間AB区間では、直流電圧は電圧の値と方向が時間的に変化しないので、コンデンサの電荷に時間的変化が生じません。したがって、直流電圧が印加されている状態ではコンデンサには電流は流れません。
コンデンサへ直流電圧を印加した直後に、どんな現象が起こるのか調べてみましょう。
第2図(a)において、C の電荷をq 、回路を流れる電流をi とし、i の正方向を印加電圧v
と同方向に選べば、
いかなる瞬時においても次の(1)式が成立し、同式をq を使って表すと(2)式となります。
(1)
(2)
(1)、(2)両式は回路の電圧方程式と云います。
ここで、C の電荷がはじめ零で、t =0の時、スイッチSを閉じたとして、(2)式でq
を求めると、(3)式が得られます。
(3)
このように、コンデンサに電荷を蓄えることを充電と云います。(3)式は充電の時間的な経過を表しています。
(3)式より、t =0の時の電荷q (0)が零で、t =∞のときの電荷q
(∞)はCE となります。
また、コンデンサに流れる電流iは、電荷qとの関係から、(3)式を時間で微分すればよく、次のように求められます。
(4)
t =0における電流i (0)は、(4)式でt =0とおけばよく、となります。
t =∞のときの電流i (∞)は、
なので、零となります。
したがって、i は(b)図に示すように、電圧印加の瞬間がで、以後、時間が経過するにつれて次第に減少し、最後には零となります。
(3)式と(4)式において、CR は時定数T と呼ばれ、電流の時間的変化の目安になる量です。T
が大きいほど電流は緩やかに変化((4)式の場合は減少)します。
【考察1】 どうしてこのような電流の流れ方をするのか考えてみよう。
第3図(a)のように、電荷Q が蓄えられているコンデンサC にスイッチSを閉じて抵抗を接続してみると、C
から電荷の放出がはじまり、抵抗へ電流が流れます。このように、C から電荷が外部に出て行く現象を放電と云います。この場合の回路の電圧方程式は、電流i
の正方向を図のようにC の端子電圧と同方向にとれば、
(5)
となります。この場合、q とi との関係は、(6)式となるので、この関係を(5)式に代入することで(7)式が得られます。
(6)
(7)
t =0のときSを閉じると、この時の電荷q (0)=Q であり、これを条件として(7)式の電圧方程式を解くと、(8)式のように電荷qが求まります。
(8)
放電電流iは(8)式の結果を(6)式へ代入して、(9)式のように求められます。
(9)
ここで、Q/C は、Sを閉じる前にC の端子に現れていた電圧で、これをE とおけば、(9)式は、
(10)
となります。q およびi のグラフは、(b)図のようになります。
【考察2】 q とi になぜこのような変化が起こるのか考えてみましょう。
参考1 a を定数とすれば、 (11)