
直流電流の測定には、もっぱら可動コイル形計器が使われるが、計器の可動コイルに流すことのできる電流は、せいぜい数十mAであるから、それ以上の電流を測定しようとする場合は、必ず分流器を使用しなければならない。
第1図はその測定回路を示したもので、分流器の抵抗を

、その端子電圧を 
、電圧端子から計器(mV計)端子までの接続導線の抵抗を 
、 
、計器の動作電流を 
、その内部抵抗を 
、測定しようとする電流を

とすれば、
















上式を整理して

を求めると、




となり、計器の動作電流の

倍まで測定範囲を拡大できる。


一般に、分流器が計器に内蔵されている場合は、

は

よりはるかに大きいので接続導線の影響は無視できるが、分流器が外付けされ、計器と分流器の位置が離れている場合には上記の関係は誤差を生む。分流器が計器に内蔵された場合は、いわゆる電流計で、目盛がAまたはkAで表示されているので、そのまま読みをとればよいが、独立した分流器とmV計を併用する場合の電流

を求めるには次の式より求めることになる。






mV計の指示を

とすると


これを(1)式に代入し








より
を求めることができる。

