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電線の接続は作業環境の悪い工事現場で施工されるため、接続部分で電線の電気抵抗を増加させないように接続するほか、絶縁性能の低下(裸線を除く)及び通常の使用状態で断線のおそれがないようにしなければならないと規定されている(電気設備技術基準第7条)。また、「電技解釈第12条」では更に具体的に次のように規定している。
(1) 裸電線相互又は裸電線と絶縁電線、キャブタイヤケーブル若しくはケーブルとを接続する場合
a) ジャンパー線など張力が著しく小さい場合を除き、電線の強さ(引張荷重)を20%以上低下させないこと。
b) 接続には接続管その他の器具を使用するか、ろう(はんだ)付けすること。
(2) 絶縁電線相互又は絶縁電線とコード、キャブタイヤケーブル若しくはケーブルとを接続する場合は(1)の規定に準ずるほか、電線部と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆すること。
(3) コード相互、キャブタイヤケーブル相互、ケーブル相互又はこれらのもの相互を接続する場合は、コード接続器、接続箱その他の器具を使用すること。
(4) 導体にアルミニウムを使用する電線と銅を使用する電線とを接続する等、電気化学的性質の異なる導体を接続する場合には、接続部分に電気的腐食が生じないようにすること。
(5) 導体にアルミニウムを使用する絶縁電線又はケーブルを屋内配線、屋側配線又は屋外配線に使用する場合で、当該電線を接続するときは、電気用品安全法の適用を受ける接続器を使用すること。
日本工業規格JIS C 2810(1995)「屋内配線用電線コネクタ通則−分離不能形」の「4.2 温度上昇」、「4.3 ヒートサイクル」及び「5 構造」に適合する接続管その他の器具
(1) 直接接続
小サイズの電線の接続に用いられる工法で、ツイストジョイントと、バ インド線(ジョイント線)の巻上げによる接続が代表的なものである。いずれも必ずろう付けをしなければならない。絶縁電線の場合には電線部分と同等以上の絶縁被覆を施さなければならない(第1図(a))。
(2) 器具を使用する接続
最近は器具を使用する接続がほとんどである。第1図(b)にその一例を示す。このほかコード接続器、平形導体合成樹脂絶縁電線接続器などがある。絶縁コネクタの場合は接続と同時に絶縁処理ができる利点がある。
(3) 架空電線の接続
架空電線は一般に強い張力を受けるため、その接続にあたっては通常の使用状態で断線が発生しないように施工することが最も重要である。
このため普通は耐張型支持物の箇所でジャンパー線の部分で接続することが多いが、場合により支持点間で接続することも必要になる。
接続方法としては、比較的小サイズの電線ではSスリーブや直接接続による場合もあるが、高電圧、大サイズの電線では圧縮接続が一般的である。
特に架空送電線に最も広く採用されている鋼心アルミより線(ACSR)の接続ではあらかじめアルミスリーブを電線に通しておき、まず張力を分担する鋼心を鋼製スリーブで圧縮接続し、次いでアルミ線部分をアルミスリーブで圧縮接続する(第2図)。
(4) 電力ケーブルの接続
電力ケーブルの接続は極めて高度の電界処理が必要とされるため、十分に熟練した技能者による施工が必須である。CVケーブル以前の油浸紙絶縁、鉛被ケーブルでは高温の油浸紙を空気が混入しないように所定の厚さに巻く「紙巻」、半溶融状態のはんだで鉛被と鉛管をつなぎ肉盛りする「鉛工」など、特殊技術が必要であり、職業訓練法にも「ケーブル接続工」という独立した職種があった。
最近6kV級CVケーブルで施工不良による事故も発生している。また、154kV以上の接続では作業場所のマンホールなどの全体を空調して無塵空間として作業している。
電力ケーブルの接続には接続箱が使用される。33kV以下ではすべてテープ巻きで、絶縁層と防護層を形成するものもあるが、それも接続箱である。第3図にテープ巻形の単心CVケーブル接続箱の例を示す。
最近では作業性などからプレハブ形(差込式)の接続箱が主として比較的低電圧で使用されているが、高電圧ケーブルへの開発が進められている。
(5) 電気腐食の防止
異種金属が接触し、それに水分の付着などが伴うと局部電池作業によって電気腐食が発生する。アルミニウム(合金を含む)導体と銅導体とを接触させると、この場合アルミニウムが腐食する。
対策として鋼心アルミより線(ACSR)では鋼心とアルミニウム間に防食コンパウンドを充填したりしているが、導線とアルミニュウム線の圧縮接続には特殊スリーブも使用されている(第5図)。