〜終わり〜
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ケーブルの許容電流は導体の許容温度、すなわち基底温度と温度上昇の和で決まる。温度上昇は発生熱と熱抵抗の積であり、各部の熱抵抗の影響は大きい。
したがって、地中ケーブル許容電流の決定には各部熱抵抗の算出が主な作業といえる。また、ケーブルの熱放散はケーブルの半径方向だけに行われると考える。このためここではケーブル断面寸法の感覚を得るため、長さの単位に〔cm〕を使用する(JCS 168対応)。
(a) 絶縁体、防食層の熱抵抗
電力ケーブルは同心電極であるため、絶縁体の熱抵抗は導体中心から任意の距離の絶縁体中に極めて薄い層の熱抵抗を考え、これを絶縁体の内径から外形まで積分して得られた次式により算出する(第1図参照)。
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ここで、ρ:固有熱抵抗、D:絶縁体外形、d:絶縁体内径
防食層の熱抵抗もこの式による。この式は同心電極である電力ケーブルでは絶縁抵抗を表すなど、広く使用されている。
(b) 表面放散熱抵抗
ケーブルと周囲の空気との温度差に対応する熱抵抗で、直埋式布設では土壌と直接接触するために存在しない。
これはケーブルの表面積に反比例し、次式で算出する。CVTケーブルでは3心の包括太さをケーブル外径とする。
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ここで、
:固有表面放散熱抵抗、
:ケーブル外径
(c) 土壌の熱抵抗
地中ケーブルの許容電流には土壌の熱抵抗がいちばん影響する。代表的な布設方式である管路式の土壌熱抵抗の算式を(3)式に示す(第2図参照)。
これは管路を一括して考え、管路ブロック内の温度は均一と仮定したものであり、土壌熱抵抗の算出式はこのほかに数種ある。
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ここで、
:土壌の固有熱抵抗、
:管路中心の埋設深さ
土壌の熱抵抗は大きく、その温度上昇は発生損失の1日平均程度により変動すると考えられるので、多条数併設の場合は次式による損失率を乗じている。
ただし、併設条数が3条以下では安全側に見て損失率は1.0とする。
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ここで、
:1時間ごとの平均電流、
:1日中の最大電流
また、直埋式1条布設の場合は、第2図のLをケーブル外径、同じくlをケーブル中心の埋設深さに置き換えればよい。第1表に各種固有熱抵抗と表面放散熱抵抗を示す。
土壌の熱抵抗は各部の熱抵抗の中で最も大きく、許容電流に及ぼす影響は大きい。
(d) 総合熱抵抗
各部の熱抵抗は「地中ケーブルの許容電流(㈵)」第3図のように直列になっているが、導体温度から基底温度までの熱抵抗の構成は布設方式によって異なる。
また、誘電体損による温度上昇は上記第3図から次式で表せる。
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ここで、
:併設ケーブルの影響を見込んだ土壌熱抵抗
誘電体損による温度上昇は負荷電流に関係なく一定なので、上記第3図の熱抵抗は一つにまとめて表せる。最も一般的な布設方式である管路式について表せば次式のようになる。
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ここで、P:シース損失の導体損失に対する比
(6)式の{ }内を総合熱抵抗
と呼ぶ。3心ケーブルではシース損にかかわるPは無視し、直埋式では表面放散熱抵抗
は存在せず、また、暗渠(きょ)式(洞道布設式)では普通洞道内の気温を作業性などからほぼ一定の範囲に保つため、土壌の熱抵抗
は考慮しない。