(1) 様々なケースのトラブルが発生
トラブルの傾向などは以下のとおり。
- IGBTの制御面 → 制御の高度化に伴い素子の能力・耐量との関係(全体的にみて余裕が少ないケースがある)
- IGBTの保護面 → 通常の保護よりも検出感度、スピードとも極めて早い(同様に余裕が少ないケースがある)
- 単独運転に移行するときの制御面・整合面(かなり高度のものがある) → 「いったん単独運転にし、その後、系統並列する」、「いったん停止し、その後、再起動」などの諸々の方法について検討・整理が望ましい
- 周辺装置や機器との整合面 → 「インバータ機器を用いる装置」と既設装置との整合面での課題がある
- 近傍系統での電気的現象と保護・制御との協調面 → (後述のように)諸々の電気現象が考えられる
- 既設設備への影響面 → インバータ機器からの高調波・高周波は広範囲の成分を含み、なんらかの形で(共振などによる電圧、電流の増大や振動)影響が出ている
(2)その他(今後の取組姿勢など)
どちらかというと個別的な処理(トラブル対応)が多いので、次のような進め方・
取組が期待される。
- トラブルなどを持ち寄って整理・分析し、多くの分野で活かしていく必要
- 電力系統の諸々の電気現象とインバータとの協調は技術的に相当奥が深い
- 長期的な視野に立ち、(一歩一歩の)積み重ねが必要
以上のような取組によって、体系的な整理、実務上の指針や手引き類の整備望ましい