(1) ZCT
第5図は、零相電流をZCTで検出して入力する場合の入力極性を示します。事故点方向に零相電流が流れ込む向きがプラスです。対称座標法の零相電流
(2) EVT
第6図は、零相電圧を接地用変圧器(EVT)の三次回路(ブロークンデルタ結線)で検出して入力する場合の入力極性を示します。継電器に接地側をプラスで接続することにより、-3
いま、中性点高インピーダンス接地系統の代表として、抵抗接地系統における1線地絡事故を考えます。a相の1線地絡事故が発生した場合の零相電圧、零相電流の分布は、第1図、ベクトル図は第2図のようになります。
零相電圧や零相電流の計算方法については、本電気技術解説No.04301 「配電系統の零相電圧(V0)の求め方」で、等価回路と数式を使って詳しく解説されていますので、ここでは、定性的にイメージをつかむことに重点を置いて解説します。
各相の対地電圧は対称な三相交流電圧
事故回線のa相が完全地絡して零電位になった場合を考えます。変圧器巻線各相の誘導起電力は
○健全相(b、c相)の対地電位は 倍に上昇 | |
○線間電圧は不変 | |
○変圧器中性点電位(零相電圧) になります。 |
b. 各部の電流、零相電流
中性点電位がV0=-Eaになると、中性点抵抗Rnに電流は流れ始めます。
また、線間電圧は事故前と変わらないので線間静電容量の充電電流は変化しませんが、対地静電容量についてはa,b,c相いずれもV0=-Eaだけ対地電位が変化するので、その分だけ充電電流が変化します。この中性点抵抗の電流および対地静電容量の電流変化分が零相電流成分です。
1線地絡事故時の零相電圧成分、零相電流成分だけに着目するのが、第3図に示すテブナンの等価回路です。中性点の抵抗は、逆数のコンダクタンスGnで表しています。
零相変流器ZCT1、ZCT2は、送配電線地絡保護用のDGRに用い、継電器設置点から保護対象の地絡事故点に向かう電流を正とするため、母線から送配電線側に向かう向きを正と定義しています。また、このテブナンの等価回路では、各部の電流は零相電流の3倍なので、ZCT1、ZCT2の検出する零相電流は3
第3図のテブナンの等価回路から、単相交流回路の簡単な計算により、各部の零相電流は次式のようになります。
事故点電流
零相電圧は、事故回線も健全回線も同一母線であるため同じです。一般に、DGRに零相電圧を入力する場合は、零相電圧の逆極性電圧-
第3図の中から、事故回線に係る部分だけを抜き出したのが第4図(a)、健全回線に係る部分だけを抜き出したのが第4図(b)です。また、第4図(c)はベクトル図です。
Gnの電流は(-
Gnの電流は流れません。対地静電容量の充電電流はその健全な回線の充電電流を検出します。上式からも分かる様に、健全回線の充電電流成分は事故回線の検出する充電電流の逆位相で、-90度方向になります。
第4図(c )から、DGRに零相電圧(-
第5図は、零相電流をZCTで検出して入力する場合の入力極性を示します。事故点方向に零相電流が流れ込む向きがプラスです。対称座標法の零相電流
第6図は、零相電圧を接地用変圧器(EVT)の三次回路(ブロークンデルタ結線)で検出して入力する場合の入力極性を示します。継電器に接地側をプラスで接続することにより、-3
~終わり~
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